レビュー: Apple「iPad mini」(筐体&ディスプレイ篇)

  • Day:2012.11.11 18:05
  • Cat:iPad
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11月2日、Appleが満を持して投入した「iPad mini」が販売開始となった。iPad miniは、7.9インチディスプレイを搭載するiOS 6搭載のタブレット端末だ。

発売されたのはキャリアとの契約が無いWi-Fiモデルで、KDDIまたはソフトバンクモバイルとの契約により3G/4G LTEネットワークが利用できる「iPad mini Wi-Fi+Cellular」は、発売日を含めて詳細は明らかにされていない。

筆者も、iPad mini Wi-Fi(64GB)ホワイト&シルバーを入手したので、数回にわたりレビューを掲載する。


★筐体

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iPad miniのフォームファクターは、従来のiPadとは雰囲気を違える。ブラック&スレート、ホワイト&シルバーというカラーネーミングから「iPhone 5」のラインナップを想像するが、デザインはむしろ「iPod touch (5th generation)」のブラック&スレートとホワイト&シルバー両モデルに近い。

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そのボディは、Appleが得意とするユニボディのアルミニウムを採用し、エッジを単結晶ダイヤモンドでカットしているため、横からディスプレイを覗いたときの美しさが際立つ。この辺りの処理もAppleならではで、iPhone 5やiPod touch 5Gといった今秋の新製品のフォームファクターを踏襲している。

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また、側面の音量調整ボタンや消音/画面ロックボタンのアルミニウムカッティングにもこだわりが伺え、全体の統一感が一層増している。

iPad miniはもちろん、iPhone 5やiPod touch、Macを含むApple製品は、他では見られない完成された高級感、細部に及ぶ素材へのこだわりが化粧箱を開けた瞬間にオーナーに伝わる。Appleがユーザーのファーストインプレッション、ファーストタッチを重要な経験として考えていることが分かる。


★ディスプレイ


iPad miniは、7.9インチディスプレイを搭載する。これは、新しいiPadや、同じく本日発売された第4世代iPadを含む歴代iPadが採用している9.7インチディスプレイよりも約2インチ小さい。Appleによると、iPad miniのサイズはiPadと比較して、7.7mm(23%薄)、308g(53%軽量)だ。

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(上がNexus 7/下がSmart Coverを装着した状態のiPad mini)

では、他社のタブレット端末と比較するとどうか。現在、最も人気のあるAndroidタブレット「Nexus 7」と比べてみた。

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Nexus 7は、7インチディスプレイを搭載し、iPad miniよりも0.9インチ小さい。また、アスペクト比が16:10を採用するため、4:3のiPad miniよりも「縦長」で、横幅が104.5mmに抑えられているため、片手で持ちやすい。(iPad miniは、134.7mm)

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iPad miniは一回り大きめのサイズになるので、成人男性が片手で持つにはギリギリだ。ただし、iPad miniのほうが3mm以上薄く、約40gも軽い。また、アスペクト比の違いも起因して35%も表示領域が広い。


★Retinaディスプレイ非搭載


ただ、ディスプレイについては手放しに褒められない。Nexus 7は、1,280x800ピクセル(216ppi)IPS液晶を採用しているのに対して、iPad miniは、1,024x768ピクセル(163ppi)IPS液晶だ。つまり、Nexus 7よりも大画面であるにもかかわらずピクセル数が少ないことになる。

iPad 2と比較すると、小さいディスプレイに同じピクセル数が収まるため「ppi」は高くなり、見たままの解像度感も高めだが、Appleの他の製品、他社製を含めて比較すると少々厳しい意見を言わざるをえない。

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(iPhone 4とiPhone 3GSの比較)

例えば、第4世代iPadは、2,048×1,536ピクセル(264ppi)、iPhone 5は、1,136x640ピクセル(326ppi)、カテゴリは違うが、MacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデルは、2,880x1,800ピクセル(220ppi)だ。

これらは全て「Retinaディスプレイ」というAppleの呼称基準に含まれ、MacBook Proの製品説明では「ピクセル密度がとても高いので、人間の目では一つひとつのピクセルを識別できないほど。画像は一段と現実の世界に近いものになり、テキストはくっきりとシャープです。」と説明されている。

裏を返せば、iPad miniはそうではないということだ。

同じタブレットカテゴリでIGZOディスプレイを搭載する「AQUOS PAD」は、Nexus 7と同じ216ppiだ。NTTドコモの「Xperia AX SO-01E」は、4.3インチ1,280x720ピクセル(342ppi)を搭載している。KDDIの「HTC J butterfly HTL21」にいたっては、5インチ1,920×1,080ピクセル(441ppi)だ。この2つの数値はRetinaディスプレイのiPhone 5に優っている。

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このスペックの羅列に辟易する人もいるだろう。「スペックシートだけでは判断できない」ごもっともだ。

だが、そもそも解像度やppiという基準を有効利用してマーケティングを優位に展開してきたのは他ならぬApple自身である。

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Appleユーザーの目は、Apple製品が肥やしてきた。iPhone 4のディスプレイに感動し、新しいiPadのディスプレイで「Retina」の必要性を再認識し、MacBook Pro Retinaで再び衝撃を受けた。

だとすると、たとえ「解像度だけで全てを計り知り得ることはできない」が正論だとしても、ピクセルが気になる、画像・フォントが荒い・・・そうした非Retinaであることに対して一定の評価が下ることから目を背けてはならないだろう。

将来、iPad miniに次のモデルが投入されるとすると、「Retinaディスプレイ」であることは必要条件となる。それくらい、我々Appleユーザーが経験した「Retina」は感動的であり、機能的だったはずだ。

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iPad miniは美しい、持っているだけで何かが楽しくなる、他のApple製品と同じだ。それだけに、ディスプレイが荒いのが玉に瑕なのである。

(次回「アスペクト比4:3の持つ魅力」について)
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