レビュー: HTC J(ISW13H)

  • Day:2012.05.29 00:11
  • Cat:au
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MNPを利用してKDDIが販売するauブランドのHTC製Androidスマートフォン「HTC J(ISW13HT)」を購入した。HTC Nipponが国内向けに、おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグに完全対応するスマートフォンを投入するのはこのモデルが第1弾となる。

1. 筐体=当初は防水を目指していた?

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筐体は、4.3インチながらやや大きい(高い)。私が購入したブラックはラバーコーティングがかかった滑りにくい素材で覆われていて、ラウンド形状なので持ちやすい。電源ボタンはiPhoneと同じ右上。音量は右側面。物理ボタンはそれだけのシンプルなつくり。

インターフェイスは、イヤホンジャックが左上、microUSBポートが左側面。いずれもカバーで保護されている。HTC Jは国内向けだが防水仕様ではない。にもかかわらず、インターフェイスにはかなり丁寧なカバーがある。防水じゃなければ本来不要なものだ。リアカバーも接点がいくつもあり、水の侵入を防ぐことを目的とした設計の名残がある。

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そもそもHTC Jの「J」はJapanのJで、同社が、日本国内のスマートフォン必須機能(おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信、緊急地震速報など)に対応させた初めてのモデルとなる。だが、国内スマートフォンの趨勢である防水機能については、HTC NIPPONの説明員が「(防水については)検討はしたが、それほど必要だとは感じていない」とコメントしていた。(ITmedia +D モバイル『写真と動画で解説する「HTC J ISW13HT」』2012年04月20日付記事より)

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(※リアカバーは10数点の接点でロックされている)

「カバーを備えるところも日本式」と言われれば、ポートむき出しの海外製に比べると、国内フィーチャーフォンは防水機能でなくともホコリの侵入を防ぐために伝統的にカバーで保護されていたので、ある程度の説得力がある。しかし、上で述べたように、本当は防水仕様にしたかったのではないか、と推量できる筐体デザインだった。

2.ディスプレイ

ディスプレイは、4.3インチ有機ELを採用していて、曲面加工を施したゴリラガラスで保護されている。物理ボタンは備えておらず、静電式のファンクションキー(左から戻る/ホーム/タスク)が配列されている。ペンタイル式で、かつiPhone 4Sと同程度の960×540ピクセルという解像度の低さ※、4.3インチという比較的大きなディスプレイにより、画面表示は粗さが目立ち褒められるものではなかった。有機ELの特徴的な青みも気になり、いわゆるSuperAMOLEDといわれるSamsungのAMOLED改良型に比べると1世代遅れている感じが否めない。

※現在、ハイスペックモデルのディスプレイの主流は「1280x720ピクセル」のHD解像度

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なお曲面加工で、ディスプレイが膨らんでいる形状のため、直射日光があたる屋外での利用時は、そもそもの有機ELに起因する見づらさに加えて、ガラスの反射でさらに見づらいのが難点だ。

3.カメラ

カメラは800万画素の裏面照射型CMOSで、F2.0とレンズも明るい。高速起動と高速連写機能が特徴的で、後者はシャッターボタンを押している間、ずっと撮影、保存を続けることができる。ホワイトバランスの調整も自然で、iPhone 4SなどApple製に代表される安定感あるスマートフォンカメラと遜色なく利用可能だ。

4.オーディオ

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HTCは、Beats Audioの親会社のため、スマートフォン分野でも協業している。HTC Jには、1万数千円相当の「Beats by Dr Dre urBeats In-Ear Headphones」が付属しており、サウンドエンハンサーを「Beats Audio」に設定すると、同梱イヤホンとキャンペーンでプレゼントしているヘッドホン向けにBeatsの技術が採用された音を楽しめるそうだ。

実際に、同梱イヤホンを使って試してみたが、いわゆるBeats系のドンシャリ感はあるが、解像度や開放度は低め。普段から高解像度系のイヤホンを好んで使用しているので、曇った感じのBeatsには抵抗感があった。

とはいえ、スマートフォンに付いてくる「オマケ」のイヤホンと考えると贅沢なクオリティとも考えられる。

5.その他

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HTC Jは、CPUに最新のQualcomm製Snapdragon S4(MSM8660A、デュアルコア1.5GHz)をいち早く採用しており、Android 4.0.xバージョンを採用するモデルでは非常に快適に動作する。

小型化のために、ロッド式のワンセグ用アンテナは搭載せず、あくまでイヤホンジャックを装着した状態でアンテナの役割を果たすので、実用性が半減している。また、真意は不明だが、前述の通りイヤホンジャック部分にパッキンがあるため、イヤホンの装着が面倒でこちらもユーザビリティを損なっている。

HTCにとって、HTC Jは初めての国内仕様特化モデルということもあるが、培ってきた技術力により、端末やOSは非常に安定している。モバイルWiMAXに対応しているモデルとして、バッテリーの持ちも悪くはない。デザインも丸みを帯びて万人受けしそうだ。

これまでのKDDI向け製品はHTC EVOシリーズのハイエンド、男性ターゲットの製品で、国内のブランド化も出遅れていた感じが強いので、今回のHTC Jに限らず、ハイエンドからローエンドまでラインナップを充実させると、より幅広い層に認識されるブランドになるだろう。
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