iPhone 4: Daring Fireballの検証(全訳)Vol.1

  • Day:2010.04.22 18:06
  • Cat:iPhone
Daring FireballのJohn Gruberが、GIZMODOによる「iPhone 4」とされる写真の掲載など、一連の事件について、考察記事を掲載しています。以下、全文訳です。

GIZMODOとプロトタイプiPhone

「電話」

最初の疑問はどのようにして「電話」がAppleキャンパスから持ち出されたかということだ。

次世代iPhoneの詳細を知っているAppleのエンジニア数名には、数週間前から、プレ製品版ユニットをキャンパスの外で利用する許可が下りていた。事実上、彼らはそのユニットを日常生活のiPhoneとして使うことが出来る。ただし、それらのユニットは厳しい規約の下にあった。彼らは、そのユニットを、iPhone 3G/3GSとの見分けを付かなくするためのケースに入れて使用しなければならない。友達にもパートナーにですら、ユニットをデモしたり、カバーを外して見せることは許されない。

GIZMODOによると、ユニットに貼られたバーコードには「N90_DVT_GE4X_0493」と書かれていたらしい。プロジェクトに詳しい複数の(私の)情報筋によると、「N90」は、Appleが今年6月または7月に発売予定の第4世代のGSM iPhoneのコードネームだ。「DVT」は、「design verification test(設計検証テスト)」の略で、これは開発中の製品の(かなり)最終版であることを意味する。よって、私は、このユニットが、Appleが発売予定の製品に非常に近いものであると確信している。

発表前の製品を秘密にしたがるAppleが、それらのユニットをキャンパス外で使うことをなぜ許したか。電話をテストするからに他ならない。どれほど最大限に秘密を維持しても、生産前2~3ヶ月前には、最終版に近いユニットがフィールドテストを受けることになる。(これは電話以外のAppleの製品でも同様だが、iPhoneの場合は、携帯電話という性質上、テストが広範囲に行われる。)iPhone 3GSでも、その前のiPhone 3Gでも同様だった。初代iPhoneの場合は、発表から発売まで半年間あったため、その期間にフィールドテストが行われていた。

キャンパス外に持ち出されることを許可された電話は、盗難にあったり、紛失したりする可能性も伴う。そうした電話は誤った者の手に渡るはめになる可能性もある。みんなが知っている「マーフィーの法則」通り、プロトタイプのiPhoneが紛失したケースは今回が初めてではない。だが、「誤った者の手」に渡ったのは初めてのことだった。

「売却者」

カリフォルニア州刑法第485条
カリフォルニア州民法第2080条第1項

そうだ。私は刑法と民法をそれぞれ引用した。意図は自明だ。彼らがバーのスツールで「発見」したのが、「電話」の入手方法だとすると、所有者に返却するか、警察に受け渡せたはずだ。3週間も所有したのち、それを売却するのは窃盗罪となる。

カリフォルニア州刑法第485条を議論し、支持した興味深い判例(2010年4月7日)があるので、要旨を紹介しよう。

カリフォルニア州刑法第485条で規定されている、唯一のメンタルステイトは被疑者の「認識」だ。規定される「窃盗罪」は2つの行為により成立する。「不作為」と「心理状態」だ。

次の場合、当人について窃盗罪が成立する。(1)遺失物を発見した者が、(2)当該所有物を使用した場合、(3)所有者の捜索または、所有物を返却するための正当かつ相当な努力をせずに、(4)真の所有者について調査手段や調査能力がある状況下において。

この条文のどこにも、いかなる特定の意図を持っても、被疑者が所有物を隠さなければならないとは書かれていない。

彼らには選択肢があった。バーで長時間過ごした者同士で、置き忘れや忘れ物があった場合、一般的にやることは決まっている。財布、鍵、電話、何でもいい。もしあなたがそういう置き忘れを拾ったら、バーテンダーに渡すだろう。もし自分が紛失に気付いたら、バーテンダーに尋ねるだろう。当たり前のことだ。

この選択肢は、バーテンダーが紛失物の所有者、または警察でない限り、カリフォルニア州刑法の字面通りに解釈すると、完璧な対応にはならないだろう。だが、紛失物が、その店の従業員の手に渡っていて、誰が従業員を訴えるだろうか。その場合、事実上、バーテンダーが発見者となって、解決するはずだ。

この事件でも同じことだ。彼ら「発見者」が、バーテンダーに「電話」を渡していれば、繰り返し店に電話して訪ねた真の所有者に返却されていただろう。または「発見者」が、その夜にバーテンダーに渡さなかったとしても、GIZMODOに売却するまでの3週間のうちに、バーに戻したり、ただバーに電話して紛失した人から連絡がなかったか尋ねることも出来た。

ここに、GIZMODOが掲載した「電話」返却の試みに関するストーリーがある。

待っていた間、彼はそのiPhoneを触った。普通のiPhoneのようだった。「普通のiPhone 3GSと思った」彼はGIZMODOの電話インタビューで答えた。「カメラを試そうとしたが、3回クラッシュした」iPhoneは見た感じ、特別な機能をもっていないようだったが、いくつかのバーコードが記されていた。「xxxxxxxxxx」「xxxxxxxxxx」ボリュームボタンの隣に貼られたステッカーには「iPhone xxxxxxxxxx」と記載されていた。

彼ら「発見者」は、Facebookアプリから、「電話」を紛失したAppleのエンジニアの名前を知った。

明日返そうと考えつつ、彼もバーを去った。夜、ふと起きたとき、iPhoneは動かなくなっていた。Appleが、紛失を察知し、リモートワイプしたのだ。そのとき、彼はこのiPhoneがなんだか妙なモノだと気付いた。外装に違和感があり、フロントカメラがあった。少し考えたのち、彼はiPhone 3GSのようなフェイクケースに気付いて取り外した。

注意: 発見物を分解することは法律で禁止されている。

そして、輝く、完全に違うモノが現れたのだ。彼はAppleの色々な番号に電話して、適切な人物に返却しようと試みた。だが運が悪かった。だれも彼を相手にしなかった。彼が得たのはサポートセンターのチケットナンバーだけだった。それでも彼は、この話が上にあがって、連絡がくると思っていたが、電話はいっこうにかかってこない。彼はどうすればいい?Apple Retail Storeに入って、その輝く新しいデバイスを、eBayに売るかもしれない20歳の従業員に渡すべきだったか?

確かに、Appleに相談して、その「電話」が何であるかを知っている人を見つけるのは困難なことだろう。Appleのような大企業は、顧客が従業員と直接連絡をとるのを意図的に困難にしている。そこには、プロトタイプが紛失したという情報はなかった。

だが、シンプルに、彼らはその「電話」を包装して、宅配便でAppleに送付することはできた。Appleの住所はウェブに記載されている。彼らは、落とし主であるエンジニアの名前も知っていた。Appleのコールセンターに電話することが、(州刑法で規定されている)「所有者の捜索または、所有物を返却するための正当かつ相当な努力」とは言えない。

・バーテンダーに渡す
・Appleに送付する
・Facebookを使って、そのエンジニアに連絡をとる

上記のようにすればよかったのだ。そして、遠回りな手段ではあるが、Apple Retail Storeに持って行くのがなぜだめなのか。GIZMODOは、「eBayに売るかもしれない20歳の従業員に渡すべきだったか?」と書いているが、それはまさに泥棒が考えそうな言い訳だ。Apple Retail Storeに持って行っていたら、従業員はマネジャーに「電話」を渡し、Appleに返却される。

仮にGIZMODOのストーリーが文章通りだったとしても、GIZMODOに売却した「彼ら」が、「電話」返却のための適切な術を講じなかったことは疑いのないことだ。このように、例え、当初、「電話」が紛失物として彼らの手に渡ったとしても、「所有者の捜索または、所有物を返却するための正当かつ相当な努力」をしなかったので、これは「盗難物」となる。

さらに考えて欲しい。我々に語られる一連の物語の「偶然の一致」を。見たこともないようなiPhoneを紛失するAppleのエンジニアの隣に「偶然」座る可能性は?そのiPhoneはフェイクケースに包まれていて、ディスプレイの解像度は高い。だが、シリコンバレーとはいえ、バーの誰がそんなことに気付くだろうか。「彼ら」はそれをGIZMODOのようなサイトに売れば大金になることを知っていた。そんな「偶然」はあるのか。

私の考えでは、「彼ら」は、エンジニアがバーで「電話」を使っているとき(Facebookを更新していた)に、その珍しさに気付いて、ジャケットのポケットからそれを奪ったのではないか。だが、GIZMODOが、手にした後に(Appleからの書簡への返答のなかで)「盗難品であることを認識していなかった」と明確に述べた以外は、確かな確証があるわけではない。

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