column: 日本における3G iPhone
3G iPhoneの具体化と認識
iPhoneの3G化は2ヶ月以内に行われるようだ。このスケジュールがWWDCを視野に入れた予想であることは明らかである。だが欧米のユーザーにとってはそれほど大きな出来事ではない。なぜなら彼らは既にiPhoneを手にして、現にキャリアのネットワークによって何処からでも世界中のウェブページにアクセスできて、もとよりiPhoneで電話が出来ることを体験しているからだ。
はっきりしている。我々日本に住むアップルファンは結局のところ、文字では世界中のどのような文献でも確認できるが、その殆どが一切の我々自身の体験に基づいているわけではない(もちろんiPhoneは日本でも入手することは出来る)。つまり我々にとって3G iPhoneというのは初めての可能性であると言える。
日本のための3G iPhone
既に述べたように3G iPhoneはここ2ヶ月中に登場すると言われている。様々な情報源がそう言っているが、例えば在庫状況からも、単にタイミングからも明らかなのかもしれない。そして海外メディアの中には3G iPhoneの必要性に関して「3Gネットワークが必要不可欠な地域での販売」を挙げているものある。何を意味しているか、つまり日本での展開を踏まえての3G iPhoneだということだ。
AppleはiPhoneのアジアにおける展開を2008年からとしている。そして大方の予測で、最初にアジアで登場する国(もしくは地域)とされているのは日本だ。これはケータイ大国を自負しても異論ないと考えるイチ日本人である私からしてみても当然のことに思えるが、その思いはおそらく日本の大手キャリアも感じているに違いない。すなわちiPhoneの発売で中国や韓国、インドなどに遅れてはならないと。ついでに述べておくと、韓国は日本以上にケータイが飽和状態にあり、確実な成功が見込めなければAppleは手を出さないと言われている。それは韓国でiTunes Storeがサービスインされていないことからも予想できる。それとは対照的に中国が今世界最大のビジネスチャンスであることも間違いない。あとはiTunes Storeなど諸問題との兼ね合いだが、これが小さな問題にしてAppleにとって最も大きな問題であることは言うまでもない。諸問題の混在を考えても中国での登場を2009年と観る人も少なくない。
3G iPhoneの登場舞台
ではアジアで2008年にiPhoneを発売することが出来る国はどこかと考えると、やはり第一には日本しかないのである。リテールのApple Storeを始め、iTunes Storeなど多くのAppleのサービスが米国同様に利用できるのは日本しかない。その日本でiPhoneが利用できない最大の理由はiPhoneが2Gで登場したからだった。
iPhoneは発売から1年を経て、バッテリー問題をクリアし、3G化しようとしている。そしてその恩恵を最大限に受けられるのは未だiPhoneを体験したことのない私たち日本人であることは間違いない。その恩恵がいつ受けられるのかは定かではない。2008年中であることは先に述べたAppleの展望から考えてもある程度の予想は出来るが、時期となると検討出来るデータがない。
密かながら、私はWWDCよりも前に3G iPhoneは発表されるのではないかと思っている。それはWWDCの特徴を考えたときに、果たして3G iPhoneの初のお披露目の場所にふさわしいかどうかに疑問符が付くからだ。つまりWWDCのステージとしては「既知の3G iPhone」に関するデベロッパ向けのカンファレンスであることが望ましいのではないか。3G iPhoneそのものも見えない。完全なモデルチェンジなのか、ただ3Gネットワークに対応しただけのモデルなのか。前者と後者では発表される舞台にも大きな違いが出てくるだろう。ただ、上に述べた私の予想に自ら不安になる要素があるとしたら、iPhoneそのものがMacworldという大きな舞台で発表されたということだ。Appleの既存の舞台で比較出来るのはWWDC以外にないという見方も出来る。
3G iPhoneのキャリアとファンタジー
3G iPhoneに関しては「発売」すら6月と言われている。それはもちろん欧米など既にiPhoneが発売されている地域ということになるが、では日本ではどうなのか。昨年末から海外メディアの間で話題になっているのは、NTTドコモとSoftBankがクパティーノを訪れて、iPhoneの販売に関する交渉を行っており、現在NTTドコモが優位とされているということだ。
ここからは私のファンタジーになるが、私は3G iPhoneは両社から登場するのではないかと考えている。SIMロック解除の問題ひとつをとっても、W-CDMA網を利用している限り、結局は何者かがアンロックツールをリリースして、独占キャリア以外でも使えるようになるというのは欧米を観ていても、国内における海外端末を観ていても自明だ。Appleにとって日本におけるW-CDMA網トップ2であるNTTドコモとSoftBankから正式に販売させたとして、何が都合が悪いだろうか。一方で、キャリア側も「頭打ちのドコモ」と「躍進のSoftBank」のそれぞれの立場を自身で考えても、お互い譲歩できる部分があると思う。
そしてAppleのSteve Jobsは突如来日する。私の予想では8月上旬。2005年にiTunes Store Japanの発表のために来日したように。そして日本向けの3G iPhoneに関して再度プレゼンテーションを行う。Jobsは独占キャリアの発表とともにそのキャリアの最高責任者を壇上へ招く。私はその壇上に立っている人物が2人いるように感じるのだ。つまりドコモの中村社長とSoftBankの孫社長。もちろん契約や販売条件すべてを等しくして、iPhoneに関して、ユーザーは単にキャリアを選択できるという状況を作る。それはユーザーの既存の契約を考慮しても良し、両社のその時点での独自アピール(家族間通話無料など)に着目するのも良し。
アクティベートはiTunes経由で行う。つまり日本でのこれまでの販売スタイルは通用しなくなるのだ。契約に関する意思表示をPCの画面に向かって行わなければならない。店舗での手間が省ける一方、より高いリテラシーが要求される。もちろん販売する側も最低限のアナウンス(要件など)をする必要もあるだろう。もっともこの辺りまで予想していると鬼が笑うかもしれないが・・・。
とりあえず現時点でのまとめ
結局のところ現在確実視されているのは3G iPhoneは6月までに明らかになるということ、当然日本を見越したプロダクトであるということ、アジアでは一番最初に日本で発売されるということ、それは2008年中であるということ。私がこれほどまでにファンタジーを並べられるのも、最近になって、リアリティのある話が世界中で出てきているからにほかならない。
ケータイマニア(といってもハイスペック専門ではないが・・・)としては、iPhoneの日本での発売というのは正にここ数年でも最大のイベントであることは間違いない。そして刻一刻とその日は近づいているのである。ケータイ業界の方々、販売店の方々、メディアの方々、そしてアップルファンの方々・・・準備はよろしいだろうか。他ならぬ私自身、用意はしているだろうか、自問するのである。
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